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8月15日の新聞紙面は、白黒に |
日本では終戦記念日の8月15日が中国では、「哀悼の日」だった。
7日に起きた甘粛省舟曲県で起きた土石流災害の犠牲者を追悼する日となり、全国各地で追悼活動が行われた。
映画館や劇場、バーなどの娯楽施設は臨時休業、上海万博でもビリオオンの見学のみで演劇などのイベントは中止された。
テレビはニュース報道以外の娯楽番組は中止となり、救出シーンなどの映像が延々と続いた。
海外放送も例外ではなく、シャットアウト。
真っ黒な画面に、哀悼の日のため娯楽番組禁止という中国語と英語の表記が素っ気なく映し出されるだけであった。
NHKも衛生放送は見られるが、NHK総合プレミアムは真っ黒で、楽しみにしていた終戦記念日ドラマが見られなかった。
ネット上でもゲームや歌のダウンロードはもちろんできない。
ある中国紙が、昨年の中国の世相を表す漢字として「被(~させられる)」を選んだ。
給料は上がっていないのに、統計局の発表する賃金上昇率は上がっていて被成長(成長したとされる)、大学当局が就職率を上げるため学生が就職したように見せかける不正を行ったことに対して被就業(就業したとされる)といったふうに使われたわけだが、これこそまさに被哀悼(哀悼させられる)である。
哀悼の日は、四川大地震の時に始まったもので、この時は娯楽活動なしの服喪期間が3日続いた。
次いで、今年4月の青海省地震の時にも1日行われ、今回が3回目である。
被害に遭われた方たちへの哀悼の思いはあるが、こうも強制されると「またかぁ」という思いしか残らない。
四川大地震時の、強制募金活動が思い出される(芸能人や著名人、著名企業のなかには「額が少ない、ケチ」と非難にさらされる人や企業もあり、一般市民の住む居住区や会社内でも募金額が名前付きで公表された)。
余談だが、翌16日は旧暦の7月7日で、中国版「恋人の日(バレンタインデー)」。
街には臨時のバラの花束売りが現れていた。
2月14日と同様に、男性から女性にバラの花など贈り物を贈るのが習慣となっている。
花屋さんにとっては稼げる日であるだけに、この日が哀悼の日でなかったことに花卉業界の人々は胸をなでおろしたことだろう。
さらに2日後、雲南省の山間部で大雨に伴う土石流が発生、死者・行方不明者が出た。
哀悼の日の3日前にも、2年前の大地震の被災地で洪水・土砂災害が起きている。
これだけではすまない。
新華社電としてメディアが伝えるところによると、今年1~7月に中国で発生した地質災害は2万6,009件。
その原因は、地球全体の気候変化と異常気象による局地的な大雨や熱帯暴風などの発生と、地殻変動の活性化により環太平洋地帯の地震の連発など、としている。
甘粛省舟曲県の土石流について、四川大地震の影響や特殊な地形をあげ、あくまで自然災害であるというのが当局の発表であるが、果たしてそれだけなのか。
世界各地で起きている災害のケースを見る時、気象・地質の問題だけでなく経済優先による環境破壊も原因のひとつとなっていることは明らかだ。
わずか10数年でほかに例を見ない急速な経済発展を続ける国が、経済優先で開発を行っていないわけがない。
内外からその種の指摘は起きている。
となれば、今後も被災地は増え続けていくことになる。
その時もまた、「哀悼の日」が設定されるのだろうか。
哀悼の日の対象となった被災地は全てチベット族の暮らす土地であった。
産経新聞によれば、見舞い金の支給がすぐさま発表されたのは「チベット地域」であり、温家宝首相が災害発生から現地入りするまでの間隔も「チベット地域」のほうが短い。
少数民族への配慮を内外にアピールする狙いもあるが、被災者は全国にいるのであり対応に格差が生まれている。
これ以上、被災者が増えないこと、そして哀悼を強制されないことを願いたい。
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最終更新:8月29日(日)7時5分
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